新しい挑戦
この秋から、新しい仕事を始めます。hito-koto という名前で、会社の採用を動画と記事でつくる仕事です。
これまで私は、動画をつくってきました。会社の紹介、商品の紹介、イベントの記録。依頼をいただいて、撮って、編集して、納品する。そういう仕事を続けてきました。
動画をつくるのは好きです。今も好きです。それでも、続けるうちに引っかかることが出てきました。
納品して、終わってしまう
動画は納品した時点で私の手を離れます。その後どう使われたのか、何か変わったのか、ほとんどは分かりません。
採用の動画をつくったときも同じでした。きれいに仕上がって、喜んでいただいて、それで終わり。その会社に人が来たのかどうかは、聞かないまま過ぎていく。
つくることはできている。けれど、届いたのかどうかが分からない。その感覚が、だんだん大きくなっていきました。
人事だったころのこと
私はもともと人事の仕事をしていました。求人票をつくり、面接をし、入った人が辞めていくところまで見てきました。
辞める理由でいちばん多いのは、聞いていた話と違った、というものです。条件の話ではありません。仕事の中身、職場の空気、会社の考え方。そういうものが、入る前に伝わっていない。
求人票には書く欄がないからです。給与と休日と福利厚生は書けても、その仕事が本当はどういうものなのかを書く場所がない。だから伝わらないまま入社して、驚いて、辞めていく。
採る側も傷つき、入る側も傷つきます。誰も得をしていないのに、毎年同じことが起きている。
二つが、つながった
動画をつくる仕事と、人事の経験。この二つは、長いあいだ別のものでした。
つながったのは、伝わらないから人が来ないのだと気づいたときです。仕事に魅力がないのではない。伝える手段がないだけだ、と。
それなら、私にできることがあります。現場に入って話を聞き、その人の言葉のまま記録して、動画と記事にする。人事として何が知りたいかは分かっているし、撮ることも書くこともできる。
これが新しい求人サイト hito-koto を始めた理由です。
最初に撮ったのは、父の店でした

仙台でアーチェリーの道具を扱って47年になる、小さな店です。
なぜ続けてきたのかと聞いたら、父は少し考えてから、47年続いてきたということは、まあ、いいのかなというところかな、と言いました。
整った答えではありません。けれど、この言葉のほうが本当だと思いました。きれいに言い換えたら嘘になる。だから、そのまま残しました。
できあがったページを見て、これなら伝わると思えました。同時に、自分が何をやろうとしているのかが、やっとはっきりしました。
正直なところ
うまくいく保証はありません。始めたばかりで、実績もこれからです。値段が高いと言われるかもしれないし、必要ないと言われるかもしれない。
それでも、伝われば人が来る仕事はたくさんあると思っています。技術を磨く職人の仕事の後継者不足、まだ知られていない魅力のある会社、その一つひとつを記録していけば、何かは変わるはずです。
動画をつくる仕事もこれまで通り続けます。そのうえで、新しく始めるこの仕事に、いまはいちばん力を入れています。
嘘のないヒトコトが、会社を救う。そう信じてやっていきます。



